「ちょっと知っただけで偉そう」な人の心理とは?知ったかぶりする人の特徴と対処法
雑学 8 min read

「ちょっと知っただけで偉そう」な人の心理とは?知ったかぶりする人の特徴と対処法

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karrinn

著者

こんな人、周りにいませんか?

「ちょっと知っただけで偉そう」な人たち

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これが「ダニング・クルーガー効果」です

能力が低い人ほど、自分の能力を過大評価してしまう
誰もが陥る可能性がある認知バイアス

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なんとなく子供の頃から「謎の自信」と言っていました

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ITの仕事をしていると、色んな人と出会います。これを知って意識しているだけで、自分や相手の力をこっそり測る指標になりますよ!

知識と自信の不思議な関係

ダニングクルーガー効果をわかりやすく説明するときに、 Psychology Today articleなどを引用して「馬鹿の山」と呼ばれる図を添付することが多いです。

実体験ともかなり一致していますので、この図をなんとなく知っておくだけでも見える世界が少し変わります。

以下にグラフの各日本語に直したものを添えておきます。

馬鹿の山

この図にあるように、実はその物事についてほとんど知らない、いわゆる「かじった程度」が一番自信を持ってしまう状態だということがわかります。

これは非常に危険な状態で、例えば会社や学校などではナポレオンが言うところのやる気のある無能になってしまい、誤った意見をひたすらぶつけて組織やクラス全体を崩壊させる破壊神が誕生してしまいます。

ITの世界ではこんな風に表現される

ITの世界では、このダニングクルーガー効果をもう少しキャッチーでかみ砕いた表現として、広く使われている表現があります。

完全に理解した

知識:ほんの少し / 自信:最高潮

基礎文法などチュートリアル的なことを学んだ段階。

例:プログラミング入門書を1章読んで「アプリ開発は簡単」と思う
何もわからない

知識:増えてきた / 自信:どん底

技術の本質的な部分にまで目が向いている状態。

例:システムの規模に対して最適なパフォーマンスチューニングと工数のバランスを考えることに直面
チョットデキル

知識:専門レベル / 自信:実力相応

同じ製品を自分でも1から作れるという意味。または開発者本人。

例:自分の得意分野と苦手分野を理解し、必要に応じて他者に頼れる
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実際に新しいことを勉強するとこの気持ちがすごくわかります。

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私の場合は一番得意な領域についての自己評価は「やったことあることならわかってます」なんですが、これは「何もわからない」の状態から少し進んだ位置に当たると思います。

悲しい実験結果

Kruger & Dunning (1999)は、コーネル大学の学生を対象に、ユーモア・文法・論理的推論の能力を測定する実験を行いました。

📊
下位25%の人々が自分の実力を過大評価した

実際の成績:12パーセンタイル

自己評価:62パーセンタイル

50ポイントも過大評価!
🎯
自己認知の欠如

正答と誤答を区別できない

他者の能力も正しく評価できない

能力判断に必要な能力が不足
📈
上位25%の人々

実際より控えめに評価

「みんなできるはず」と誤解

偽の合意効果

「無能であることの問題は、無能な人は自分が無能であることを認識するために必要なスキルそのものを欠いているということだ。」

この結論はとにかく悲しいことですよね。正直この視点でYoutubeのコメントを見たりしてみるとものすごくこれを感じます。

それと同時にこの事実は、自分自身にこそ当てはまるんです。もしかしたら自分はその物事に対して無能で、それによって自己評価が実際よりも高く他人の能力も間違った評価をしているのではないかということは本当に常に意識していないといけないということです。

「無知を知ること」こそが知恵の始まり

「真の知識とは、自分の無知の程度を知ることである」

- ソクラテス

ダニング・クルーガー効果は、人間の認知システムの根本的な特性であり、

誰もが「馬鹿の山」を経験しながら成長していく。

重要なのは、この効果を知り、謙虚さを保ちながら

継続的に学び続ける姿勢を持つこと。

覚えておくべき3つのポイント

1️⃣

誰もが陥る

知能の問題ではなく、新しい領域では誰でも経験する普遍的な現象

2️⃣

二重の負担

能力不足だけでなく、それを認識する能力も不足している

3️⃣

改善可能

学習とフィードバックによってメタ認知能力は向上できる

⚠️ 最後に:この記事を読んで「自分は大丈夫」と思った人こそ、要注意です。
それこそがダニング・クルーガー効果の典型的な症状です。

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